入稿ガイドで必ず出てくる「350dpi」という数字。なんとなく「大きければ良い」と思っている人も多いと思いますが、意味を知っておくと、自分の原稿が足りているかどうかを自分で判断できるようになります。

dpiとは「1インチあたりの点の数」

dpi(dots per inch)は、1インチ(25.4mm)の中にどれだけ細かく点を打つかを表す単位です。デジタルの画像でいえば、ピクセルをどれだけ詰めて印刷するか、という密度の指定です。大事なのは、画像そのものの情報量は「ピクセル数」で決まるという点です。ピクセル数が同じなら、大きく印刷するほど密度(dpi)は下がり、小さく印刷すれば上がります。

カギは「実効解像度」

たとえば横2,480ピクセルの画像を、横180mmの大きさで印刷するとします。180mmは約7.09インチなので、2,480÷7.09≒350dpiとなり、カラー原稿の目安ちょうどです。ところが同じ画像を倍の360mmで印刷すると、約175dpiまで下がってしまいます。ソフトの「画像解像度」の表示が350dpiでも、配置する大きさによって実際に効いてくる解像度(実効解像度)は変わる——ここが、入稿データでいちばん間違えやすいポイントです。

目安はなぜ種類で違うのか

原稿の種類目安理由
カラー350dpi印刷の網点が175線前後で、その約2倍の細かさがあれば十分とされるため
グレースケール600dpi階調の滑らかさを保つため、カラーより細かさが要るため
2階調(モノクロ線画・トーン原稿)1200dpi中間色がないぶん、線のギザギザが目立つため

350dpiという数字は、印刷の網点の細かさ(線数)の約2倍が、人の目で見て十分な滑らかさになる、という経験則から来ています。700dpiで描いても印刷で再現できる細かさには上限があるので、やみくもに大きくすれば良いわけではありません。逆に目安を大きく下回ると、ぼやけやギザギザとして現れます。

必要ピクセル数の計算例

B5サイズ(182×257mm)の表紙なら、350dpiで必要なピクセル数は、横が182÷25.4×350≒2,510ピクセル、縦が257÷25.4×350≒3,540ピクセルです。塗り足し3mmを四方に足す場合は、188×263mmで計算してください。自分がいつも描いているキャンバスサイズと比べてみると、足りているかどうかがすぐ分かります。

解像度が足りないとき

当サイトでは、アップロードした画像と印刷サイズから実効dpiをその場で計算できます。入稿前に一度チェックしておくと、印刷所からの「解像度不足」の連絡を防げます。